印刷不要でデザインデータ購入希望のお客様へ

デザインデータ買取のタイトル画像

最近そういったお見積もり依頼が増えています。

印刷通販で、いろんな印刷物が安く依頼できるので、「デザインはプロにやってもらって、印刷は自分で手配すれば安くなるのでは?」と思いつくのは、想像がつきます。

「提示されている印刷込みの金額から、印刷費を抜くんだから、表示価格より安くなるに違いない!」と、考えていらっしゃるのかな?と思います。

しかし、残念なことかもしれませんが、実際はそうはなりません。


グラデザで印刷をしない場合、弊社WEBサイトでの提示の価格より「印刷」にかかる費用はもちろん抜いて計算をさせていただきます。

その上で、別途「著作権譲渡料」「データ譲渡費用」が追加します。

つまり

「デザイン制作費」+「印刷費」だったものが

「デザイン制作費」+「著作権譲渡料」+「データ譲渡費用」となるのです。

なんで?と思われるかもしれませんが、デザインは作成した時点で「著作権」という権利が発生します。
(著作権には財産権と著作者人格権がありますが、この説明は財産権の話です)

ざっくりと簡単に言うと、「その制作物で利益を得る権利」です。

その「権利」を手放すことが「著作権譲渡料」となります。

これにより、もしデータ買取したお客様が、そのデータで100,000部印刷していようが、毎月10,000部増刷していようが、弊社は一切の口出しをしないということになります。

それが弊社としての「利益を得る機会損失料」であり「著作権譲渡料」なのです。
印刷を弊社で手配していれば得られるはずだった印刷利益を手放す費用といえばいいでしょうか。

ここで、お客様が言いたいことはわかります。


「うちは100部印刷するだけだよ!そんな利益を得る機会ないでしょ!」
「それなのに、なんでデータ購入費がこんなに高いの!?」


ということだと思います。

最低ロットで得られる利益がほとんどないのはもちろんその通りだと思います。

でも、弊社ではお客様が100部印刷する程度の人なのか、10,000部印刷する人なのかわかりません。

もし仮に印刷予定部数によって値段が上下するなら「値段が下がるなら100部って言っておこう」と考える人もいらっしゃると思います。その見極めは弊社ではできません。

それらの可能性を全てまとめて「これくらい払ってもらえたらいいかな」とデザイン事務所が考える金額が「著作権譲渡料」と考えてもらえればいいと思います。

なお、弊社のデータ買取費用は、他制作会社様に比べて安い方ではありますが、それでも買取をする方は多くはありません。

数百部、数千部印刷する程度なら、逆に高くなるからです。

インターネット上に溢れている印刷通販会社の印刷料金を見ていると、弊社の表記価格は一見高いように見えますが、実は印刷ごと弊社に依頼した方が安くなってます。

それは印刷セット依頼として、なるべく安くなるよう調整をしているからです。

何度も依頼いただくことも想定して負担にならないよう増刷も安めにも設定しています。

もちろん単純な印刷料金だけでいえば、お客様自身が一番安い印刷会社を探して、最安値の形式で依頼した方が安く済むでしょう。
(でも本当の本当に最安値を狙うのであれば、ご自分で作成するのが一番安く済みます。)

ですが、弊社ではAdobe Creative Cloud(専用ソフトを使う権利)の契約、正規フォント(多彩な書体を正式に使うことができる権利)の使用契約をし、それらがある程度快適に動く高性能のMacintoshPCを購入し、著作権がクリアになっている有料素材写真・イラストを使用しながら、印刷にも精通したデザイナーが、依頼してくださったお客様のためだけにオリジナルデザインを制作しております。
その運営が滞りなく立ち行くための料金設定をしております。
もちろんもっと高く設定すると運営が楽になるのですが、そこはお客様の依頼しやすい料金との「兼ね合い」で決めております。弊社は最安値というわけでもございませんが、結構ギリギリまで削っておりますので、このクオリティの割に最安値の他社制作会社様と比較対象になるくらいの価格設定ではないかなと思っております。

ですから、デザインデータ購入に対して、著作権譲渡料・データ譲渡費用を設定せざるを得ないことをご理解いただきたく思います。

なお、弊社だけではなく、他社様でも著作権譲渡料はデザイン制作費の100%〜1,000%を設定しているところが一般的ですので、仮に10,000円のデザイン費のものも、デザインデータ購入となれば100,000円の支払いになることはご認識いただければと思います。(1000%以上を設定している会社さんもありますので、100,000円では済まない場合もあります)

他業界での例えですが、
士業であれば「プロの見解と解決方法を教えて!教えてくれたら自分で解決するので。」
加工会社であれば「設計図だけちょうだい!海外の安い加工会社に依頼するから!」
学校であれば「授業内容YouTubeで無料配信して。生徒に教えるついでだしいいでしょ!」
というような、ちょっとズレた要望です。

上記は「対応していません」か「相応の対価をいただきます」になりませんか?

それとも「いいですよ〜その方がお安い(無料)ですもんね!ぜひぜひ!」になりますか?

デザインデータというのは、金型です。
・機械や部品なら設計図
・レストランなら料理のレシピ
・映画ならフィルム
などと同じものです。

1つの会社のパンフレットや名刺、チラシだと、規模感が小さく、またその印刷物から直接的には利益が発生しないことが多いため(多くは周知のための広告物)想像しにくい部分もあるかと思いますが、基本的にはデザインも他業種様と同様なのです。

なんのためにデザイン会社がデザインをしているか今一度考えていただけますと幸いです。

デザインはデザイン会社にとっての商品です。

そして著作権というのは、簡単に言うとものづくり(商品)の権利を守ることでその業界が正しく発展していくように制定されているものになります。
ものづくりの著作権は「依頼側」ではなく、「製作側」にあります。
その権利を不当に利用されないよう、ものづくりの会社が利益を得ることができるよう「著作権」で守られているのです。



ですので、データ購入をお考えの際は、ご予算を準備してからご依頼をお願い致します。



実際、何万枚も印刷される場合は弊社へデータ買取を申し出た方がお得なこともございますので、それは会社様ごとのご都合に合わせてご相談くださいね。

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