デザイン料金の相場について、リアルな内部事情は…

突然ですが、デザイン料金って高いと思いますか?

もし高いと思う方…なぜ高いと思うのでしょう?
逆に安いな、と思う方はなぜでしょう?

恐らく、それは個人の価値観にも左右されますが、根本的には「デザインに決められた価格がない」ことが原因ではないでしょうか?

例えばこれが自動販売機の缶ジュースであれば、80円で売っている自販機はかなり安いなと感じるし、160円や200円する自販機は「旅館価格…」と思ったりするでしょう。

缶ジュースが120円で売られているのは、ほとんどの人が知っている共通認識ですから。

そこで、私たちが運営しているデザインサービスサイトのグラデザですが、はっきり言いますが、価格はかなり安い設定にしています。

自販機で言うなら1本80円の缶ジュースレベルです。

しかし、このグラデザの価格、「高い」と言う方も沢山いらっしゃることでしょう。

私はデザイナーなのでまずデザインの注文はしませんし、依頼される方と同じ立場に立つことはちょっと難しいのですが、グラデザではこれでギリギリ利益がでるレベルの価格破壊だと考えていても、特に今までデザインを依頼したことのない人から見れば、

「え?たかがチラシなのにこんなに払わなきゃいけないの?」

と感じるのは想像できます。

分かります。

1万円以上は、お財布から出すのに熟考する金額です。

まぁそもそも「ていうか、形がないものだしタダでしょ?」なんて人も…もしかしたらいらっしゃるかもしれませんが…

目に見える物がないからタダにできるのか?

いえ、そんなことはありません。

印刷会社の中には「印刷が当社ならデザイン料金は無料です!」と謳っているところもあります。

でもそれは「印刷価格にデザイン費を乗せている」だけです。本当に無料にしているわけではありません。

印刷料金が割高になっているだけなんです。

昔は印刷所に依頼するということが、個人レベルでは中々難しいことでした。部数も小ロットには対応していないところがほとんどで、入稿するにはAdobe illustratorなどの専用ソフトが必要でしたが、illustratorの本体価格は10万以上もする上、快適に動かそうとするとそれなりのパソコンのスペックも必要でした。

そうなると、たまにしか印刷をしない個人が高性能パソコンとソフトを購入してまで印刷をするのは現実的ではなく、プロにデザイン・印刷を依頼するというのが主流でした。

しかし現在は、印刷通販会社が浸透してきて、小ロット・短納期印刷にも対応してくれ、Adobeのソフトも月額で契約できるため個人でも知識さえあれば、比較的簡単に印刷依頼をすることができるようになりました。WordやExcel・PowerPointでの入稿も受け付けている印刷会社もありますしね。

それに伴って、上記のような印刷にデザインをオマケでつけるという手法が難しくなってきています。(もしかしたらまだ今もあるかもしれませんが…)

だって、印刷通販で印刷費が出ている以上、「なんでこんなに高いの?」ってなります。

上乗せしているのがバレバレになっちゃいますよね…。

つまりなにが言いたいかというと、デザイン料金は無料ではできないのです。

無料にしているところにはカラクリがあるのです。

そして、当社のデザイン費は業界内で言うと激安の部類ですが、個人の方からすると「意外とかかるな…」という金額だということです。

私たちも、なるべく安くデザインを提供したいと思い、デザイン料金は安めにしてはいるものの、どうしても個人の方が安いと思うレベルまでに下げることができないのは、デザインというのは全て同じ商品を売っているわけではなく、オーダーメイド商品だからです。

スーパーのチラシと、ブランドバックのチラシ、マッサージ店のチラシが全て同じデザインになるかというと、そうではないですよね?

では同じ業種、例えばマッサージ店のチラシなら同じデザインで流用できるかというと、

A社は「高級テイスト」を希望し、
B社は「気さくな感じ」にしたいと言い、
C社は「男性客を増やしたいので、男性に刺さるように」など言うと…

同じ業種でも同じデザインは通用しません。

それぞれを依頼人の希望に合うようにデザイナーがデザインを考えなければなりません。

また、レイアウトは自動的には配置はされないので、バランスなどを考えながらデザイナーが専用ソフトを使ってひとつひとつ手作業で並べています。

文字や写真を専用ソフト(illustratorやinDesign)に落とし込む作業。
そして、それをうまく依頼人の希望に添うようにデザインを考え、仕上げる作業があります。

例えば両面チラシならデザイナーの作業は1〜3日程度です。

デザインにかかるものは、その殆どが人件費になります。

具体的に想像しやすように最安値を出すと、大阪府の最低賃金は936円です。(2018年10月発効)

1日8時間労働とします。
936円×8時間=7,488円

制作に3日かかったとしましょう。
7,488円×3日=22,464円

じゃあデザイン費は22,464円なのかでしょうか?

それでは会社に利益が全くないので赤字です。

それに、相当なブラック企業でない限りは最低賃金以上に社員に支払っていることと思います。

ですから、上記の22,464円では原価を下回るということになります。
会社には全くお金が残りません。

またデザインには人件費だけではなく、使用している専用ソフトフォントの使用料イメージ写真イラストの使用料が加算されます。

専用ソフトは月額10,000円程度かかります。
フォントの使用料は月額5,000円程度
イメージ写真やイラストなどを使用すれば1件あたり3,000円〜かかってきます。

それらを加算した上で、デザイン原価が決まり、デザイン費が決まります。

ここまで書くと、グラデザの価格は、「安い方」であると判断できるのではないでしょうか?

でも世の中にはもっと安い価格でもデザインは作ることができます。

デザインで仕事を請け負っている以上、あまり書きたくはないのですが、当社よりも安くできる「可能性のある」方法を挙げておきます。
(結果高くなったとしても責任は負えません!)

安いフリーランスを探す

フリーランスとは、会社に属さず一人で仕事を請け負っている人です。

会社の維持費等が無いので、固定経費が少なく、安めに引き受けている人が多いでしょう。
そういった人に頼むのも手です。

ただし、信用ができる人を探すのには少し苦労するかもしれません。全てのフリーランスの人がそうではないのですが、中には「締切を守らない」とか「連絡がとれない」などのいい加減な仕事をする人もいます。

また、安くやってくれて締切を守ってくれる人を見つけても、あまりにも安値だと「暇なときはやってくれるけど、そうで無いときは断られる」ということも起こります。(これは割とよくある話です)

フリーランスは、自分の働いた分だけ売り上げになりますが、同じ条件で10万円の仕事と、5万円の仕事が来たとき、どちらを優先するかは言わずもがなですよね…。

これが企業であれば、デザイナーも複数いるため、振り分けて仕事ができるので沢山の依頼が来ていても引き受けてくれる場合が多いですが、フリーランスであれば、体は1つしかないので、1人でできる分だけ、そしてより利益の高いものを優先します。
フリーランスであっても、高くお金を支払ってくれる人と継続してお仕事をしたいと考えるでしょう。

メリット

・割安のデザイン費の場合が多い

・土日や夜中に対応してくれる人もいる

デメリット

・忙しいと断られる場合がある

・個人なので能力や対応にムラがある

・引き受けて音信不通になる場合もある

・信頼できる人を探すこと自体が大変

ランサーズやクラウドワークスなどのクラウドソーシングサービス

こちらは、専用サイトに登録して作業者を公募し、サービスサイト上でやりとりすることになります。

不特定多数に設定金額でコンペをすることができ、しかも価格帯も自由ですのでどこまでも安く設定できます。
沢山提案される案の中から気に入ったものを選ぶことができるので、予算はないけれど沢山の案を見たいという方にはぴったりのサービスです。

ただ、価格帯があまりにも安いと学生やプロ経験のないデザイナーからの提案が多くなってきやすいです。また、材料は依頼者側が用意する必要があり、きちんと「こういう風にしてほしい」と書いておかないと、全く欲しいものと違ったものが提案される可能性があります。


もちろん、きちんと材料や指示を示せば、金額以上のものが上がってくる可能性もあります。
ただ、サイトを介してのやりとりになるので、期日には余裕を持った方が良いでしょう。

メリット

・自分の納得のいく価格設定にできる

・沢山の案見ることができる

デメリット

・設定を安くしすぎるとアマチュアレベルのものばかりが上がってくる

・材料や希望を詳細に示す必要があるので、手間がかかる

・手数料が取られる

・直接連絡を取れないため、急ぎの案件にはあまり向かない
(条件に急ぎと書いて公募すれば対応してもらえる可能性もある)

テンプレートサイトを使う

デザインのテンプレートが数種類あり、そこに原稿をはめこんで作成するサービスがあります。

特殊な仕様のものはテンプレートには向かないので無いですが、A4・4ページの会社案内程度であれば探せばいくつか見つかるでしょう。

原稿などをテンプレートに丁度良く収める労力はかかりますが、テンプレートにぴったりの原稿を用意さえすれば、プロがデザインしたような会社案内が作成できます。

ただ、あくまでテンプレートですので、「同じデザイン」のものを他社も使用していることを考えなければなりません。

メリット

・好きなデザインを自分で選ぶことができる

・格安に作ることができる

デメリット

・同じ会社案内が存在している

・原稿をテンプレートに合わせて作る必要がある

友達・知り合いに頼む

もし、知り合いにデザインをやってくれる人がいるのであれば、そちらに頼むのも良いでしょう。
格安や無料で引き受けてくれる可能性もあります。

ただ、毎回無料で頼んでいると、友人関係にヒビが入ることもありますので、慎重にお願いすることをおすすめします。

メリット

・気軽に頼める

・相手次第で無料でやってくれる可能性もある

デメリット

・デザインがイマイチな場合も言いにくい

・納期などの無理が言いにくい

まとめ

デザイン料金には、明確な決まりがありません。

会社によって・デザイナーのレベルによって・制作内容によって、デザイン料金は大きく変動します。

ですが、どんなに安くしようとしても、人が動くところには必ずお金が発生します。そこを認識して依頼すると良いでしょう。

金額の高低や追加料金などが発生するかどうかについても、「人が動くかどうか」を判断基準にすると分かりやすいです。

安く済ませるか・ある程度の予算を割くかは、依頼主次第です。

「どうしても安くしたいぞ!」という場合は、ある程度原稿内容を自分で考えたりと作業する必要があり、色んなサービスを利用したりフリーランスへの依頼も回数をしてみるべきでしょう。

たくさん頼んでみることで「前の人の方がクオリティが高かった…」や「今回は同じ仕様でも安い」など、なんとなくの値段感もつかめてきます。

自分の納得できる金額で、自分の納得できるデザインや対応しくれるデザイナーさんに出会えるのが一番良いですね。

もちろんグラデザでもあなたの良きパートナーとなれるよう、さまざまなデザインのお仕事を引き受けております。豊富な実績も自慢ですので、下記画像より実績をご確認いただき、ぜひご依頼ご検討ください!

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